成功事例

6次産業化アワード、農林水産大臣賞は熊本のオオヤブデイリーファーム

去る2019年3月5日、「平成30年度 6次産業化優良事例」の表彰式が催された。農林水産大臣賞と食料産業局長賞として4事業者、奨励賞として9事業者、合計15の事業者へ賞が送られた。

審査の基準ポイントは大きく7つ
持続可能かどうかが重要な評価ポイント

農林漁業者による6次産業化の優れた取り組みを年に1回表彰する「6次産業化アワード」が今年度も開催され、3月5日に表彰式が行われた。全国から寄せられた72事業者から第1次選考では19事業者まで絞られるが、以下のような審査基準によって選考された。

1 地域の資源を活用しているか

2 地域の活性化に貢献できているか

3 新規性と革新性

4 販路拡大への取り組み

5 地域農林水産業等の振興

6 今後の発展性

7 事業の継承性

以上の7観点と過去3年間の財務関係のデータもあわせ、現地調査も加えた総合的な見地で最終的に15の事業者が確定された。本アワードを実施している6次産業化推進協議会によると、選考するうえで特に重視したのが「事業者の取り組みが持続可能であるかどうか」という点。また、今後の発展性と事業の継承性という点では、「所得向上を見込んだビジネスができているか」も重要な評価ポイントとなった。

6次産業化優良事例として
全国から15の事業者が受賞

株式会社オオヤブデイリーファーム 代表取締役 大薮裕介さん(写真右)、大薮沙紀さん(写真左)

農林水産大臣賞に選ばれた熊本県合志市「株式会社 オオヤブデイリーファーム」は、ホルスタインやジャージーなど乳牛約100頭を飼育。飼育する牛の糞から堆肥を作り、その堆肥でトウモロコシを育て牛に与えるという「循環型酪農」を実践している。牛乳の美味しさを活かすため、成分や味わいの差別化を図ったヨーグルトを2012年から製造・販売。スタート当初300万円の売上を、積極的な展示会への参加を通じて販路を拡大し、2018年には6300万円にまで伸ばすことに成功した。
こうしたヨーグルトの販路拡大の成功と、酪農体験や自家製乳製品の直売など、消費者向けのサービスも展開して地域活性につなげていることなどもあわせた総合評価により、今回の農林水産大臣賞の受賞となった。

オメガ3脂肪酸を強化したジャージー牛の生乳使用の「ミルコロエイジングヨーグルト」(写真左)と、ホルスタイン牛の生乳使用の「くまもと半熟よーぐるちょ」(写真右)。

また、食料産業局長賞には4事業者が選ばれた。

●長崎県南島原市「農事組合法人 サンエスファーム」
太陽光発電などを利用した低コストによる肉厚の生椎茸の栽培と年間1万2000人が来場する観光農園事業に積極的な取り組んだ。
サンエスファームHP

●宮崎県西都市「株式会社 ジェイエイフーズみやざき」
ほうれん草栽培により新産業を創出。冷凍加工し、冷凍野菜では国内初の機能性表示食品に認定され、ほうれん草の契約農家の所得向上に貢献した。
ジェイエイフーズみやざきHP

●鹿児島県志布志市「堀口製茶 有限会社」
茶葉生産に加え、女性をターゲットにしたフレーバーティーやお茶の佃煮など加工品の開発・販売、そしてレストラン経営、観光事業まで行い、日本茶の需要拡大に貢献した。
堀口製茶/和香園HP

●鹿児島県鹿児島市「カミチクグループ」
牛の飼料生産から飼育・加工・販売まで一貫して行う。九州の約500戸の農家が栽培した飼料用イネなどをエサに使用し、耕作放棄地の活用と農家の所得向上、そして畜産業のマイナスイメージの払拭を行った。
カミチクグループHP

その他、奨励賞として10事業者が受賞した。受賞は以下の通り。

新規領域開発賞:秋田県北秋田市「株式会社 しらかみファーマーズ」
地域発展貢献賞:岩手県紫波町「株式会社 紫波フルーツパーク」
こだわり交流活性化賞:栃木県茂木町「株式会社 もてぎプラザ」
ICT技術活用賞:三重県明和町「株式会社 小林農産」
希少価値創造賞:大阪府松原市「有限会社ツムラ本店」
農福連携賞:岡山県倉敷市「合同会社 ど根性ファーム」
女性活躍賞:佐賀県伊万里市「伊万里市農業協同組合 小葱部会」
地方創生貢献賞:長崎県平戸市「農事組合法人 ひらど新鮮市場」
革新ビジネスモデル賞:熊本県天草市「有限会社 友榮水産」

来年度も同表彰事業は開催予定。詳細は未定だが、例年のエントリーは毎年春~夏にかけて受け付けているため、チェックしておきたい。

DATA

平成30年度 6次産業化優良事例表彰 6次産業化アワード

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