耕作放棄地を再生! 6次化が生んだ成功ストーリー
2018/02/07
オリーブの6次産業化による
新たな雇用と地域活性化
2009年には、27人の生産者が0.4haの耕作放棄地で生産をスタート。当初は小豆島の業者に搾油を外注していたが、収穫量の増加を見込んで、2015年に株式会社蒼のダイヤを設立。自家製新漬けオリーブ、2種類のエキストラバージンオイルの3商品を加工販売するようになった。
現在は、生産者約50人、オリーブ畑は10haにまで拡大。6次産業化の取組により、地域に雇用を生み、耕作放棄地の再生に繋がった。
パッケージやロゴ、ホームページやユニフォームなどビジュアルにまつわるすべてのアートディレクションは、多度津出身の東京のデザイナーが手掛けた。
「生産と販路の拡大を同時に行う大変さはありますが、商品に自信があるから頑張れる。畑から搾油、保管まで徹底した品質管理は、6次産業化ならでは。地域愛にあふれた仲間達の存在も大きいです」。
国産のオリーブオイルは希少。国産オイルのシェアは、わずか0.03%しかない。
オリーブオイルソムリエ協会のジュニアソムリエ資格を持つ、古津さん。搾油後、テイスティングしながら品質を高めていく。
発送作業なども一貫して行う。慣れない作業も仲間が居れば楽しいという。
現在は、全部で10haのオリーブ畑と契約、今年の収穫見込みは18トン。今後も畑は拡大予定だ。
「蒼のダイヤ」のこだわりは、厳格な品質管理。収穫後24時間以内の搾油を徹底し、温度は27℃以下に設定。ステンレスタンクに保存する際も窒素を注入し、オイルの酸化を防いでいる。10月~12月の収穫時期によって味わいの異なる実をすべて一緒にして仕上げるため、濃厚なのにフレッシュな日本人好みの味わいになるという。
鮮度も作り手の思いもそのまま詰まった商品に、全国でファンが増殖中だ。
DATA
香川県仲多度郡多度津町大字見立1856番地3
TEL:0877-89-2797
『ロクジカチャネル』vol.19より転載