耕作放棄地を再生! 6次化が生んだ成功ストーリー
2018/02/07
多くの6次産業化の成功事例がある中、今回取材した株式会社蒼のダイヤが成功させたのは6次産業化による耕作放棄地の再生。一度枯れた農地に、輝きを取り戻すまでのストーリーとは?
農地再生の旗手として選ばれた
加工用のオリーブ
口に含んだ瞬間広がるのは、フレッシュで芳醇な香りとフルーティーな風味。そして、爽やかな辛みが後味を引き締める。香川県多度津町産のオリーブオイル「蒼のダイヤ」は、国産品という希少性に加え、その味わいもまた格別だ。
「和食に合うとよく言われます。醤油と一緒に使うと赤身のマグロがトロに感じる、とも。私もご飯にかけて、毎日食べています」。
そう語るのは、株式会社蒼のダイヤの代表取締役であり、生産者でもある細川勝さん。同社は、オリーブ生産組合が自ら生産したオリーブの加工・販売を行うため、地元企業と連携し、官民ファンドのAーFIVEからの支援を受けて設立された会社だ。
瀬戸内の海と山に抱かれた多度津町は、「赤いダイヤ」と呼ばれたぶどう「デラウェア」の名産地だった。しかし、高齢化や後継者不足などで耕作放棄地が増加。再生の騎手として町が目を付けたのが、地域の特性を活かしたオリーブによる6次産業化だった。日当たりが良く、水はけのいい丘陵地帯は、オリーブの栽培に最適だったのだ。